定款とは|会社設立で必ず作成する基本ルールを司法書士がわかりやすく解説


目次

【目次】


  1. 定款とは
  2. 定款の役割と法的効力
  3. 絶対的記載事項
  4. 任意的記載事項
  5. 相対的記載事項
  6. 定款作成のポイント(電子定款のメリット)
  7. まとめ

1. 定款とは

定款(ていかん)とは、会社の根本規則を定めた「会社の憲法」のようなものです。
株式会社・合同会社など、会社を設立する際には必ず作成し、公証役場で認証を受ける必要があります。ただし、合同会社は定款認証は不要です。

定款が必要となる理由

  • 会社の目的や組織体制を明確にするため
  • 会社内部のトラブルを防ぐため

なお、定款がなければ登記申請は却下され、会社は成立しません。


2. 定款の役割と法的効力

定款は、会社の運営において次のような強い効力を持ちます。

法的拘束力

定款に記載された内容は、会社・株主・役員を拘束します。
例えば、株式の譲渡制限を定めている場合、株主は自由に株式を売却しても会社に対抗できません。

会社運営の指針

会社の目的・事業内容・役員構成など、運営の基本方針が明確になります。

トラブル予防

事前にルールを定めておくことで、株主間・役員間の紛争を防止できます。


3. 絶対的記載事項(必ず記載しなければならない項目)

会社法で「必ず記載しなければならない」と定められている項目です。
これが欠けると定款として無効となり、会社設立ができません。

絶対的記載事項一覧

  • 目的(事業内容)
    例:不動産売買業、飲食店経営、コンサルティング業など
    →広めに設定しておくと、将来の事業拡大に対応できます。
  • 商号(会社名)
    同一住所に同一商号は不可。類似商号にも注意。
  • 本店所在地
    市区町村までの記載でOK(詳細住所は登記で記載)。
    →例えば「大阪市」や「神戸市」
  • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
    資本金額のこと。
  • 発起人の氏名または名称および住所

4. 任意的記載事項(記載してもしなくてもよい項目)

会社の実情に合わせて自由に定められる項目です。
記載すると法的拘束力が生じ、会社運営が安定します。

任意的記載事項の例

  • 事業年度(例:毎年4月1日〜翌年3月31日)
  • 役員の任期
  • 取締役会の設置の有無
  • 会社の公告方法(官報・電子公告など)
  • 株主総会の招集方法
  • 役員報酬の決定方法
  • 取締役の兼任禁止規定
  • 事業目的の追加手続き

任意的記載事項は、会社の運営方針に合わせて柔軟に設定できます。


5. 相対的記載事項(記載がなければ効力が生じない項目)

「記載しなくても定款としては有効だが、記載しないと効力が発生しない」項目です。

相対的記載事項の例

  • 株式の譲渡制限
    →中小企業では必須級。外部への株式流出を防ぐため。
  • 株式の種類(種類株式)
    例:議決権制限株式、配当優先株式など。
  • 役員の責任免除規定
    →一定の範囲で役員の損害賠償責任を軽減できる。
  • 新株予約権に関する規定

これらは、会社のリスク管理や経営戦略に直結するため、慎重に検討する必要があります。


6. 定款作成のポイント(電子定款のメリット)

会社設立の実務では、次の点を押さえるとスムーズです。

電子定款を利用すると印紙代4万円が不要

紙の定款を作成すると、印紙税として4万円が必要です。
しかし、電子定款で作成すれば印紙代が0円になります。

司法書士に依頼することで、印紙税が不要となり、電子定款の作成・認証をスムーズに進められます。

事業目的は広めに設定する

後から追加する場合、変更登記が必要となり費用が発生します。

公告方法は官報公告が一般的

会社の公告方法は、次の3種類があります。

  • 官報
  • 日刊新聞紙(時事に関する事項を掲載するもの)
  • 電子公告

電子公告はサーバー代、ドメイン代を除き費用がかかりませんが、合併など登記申請の際に「公告をしたことを証する書面」を添付すべき場合、調査会社にその書面を発行してもらう必要があり、費用が数万円~十数万円程度必要となります。
官報公告の場合も文字数によって費用が変わりますが、多くの会社が公告方法を官報公告としています。


7. まとめ

  • 定款は会社の基本ルールを定める「会社の憲法」
  • 絶対的記載事項が欠けると会社設立ができない
  • 任意的記載事項で会社運営を安定化
  • 相対的記載事項は記載しないと効力が発生しない
  • 電子定款を使うと印紙代4万円が不要

会社設立は、定款の内容次第で将来の経営のしやすさが大きく変わります。
司法書士として、事業内容や経営方針に合わせた最適な定款作成をサポートできます。

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