成年後見制度とは — 後見・保佐・補助の違いと申立てガイド

判断能力が低下した方の生活や財産を守るための制度が成年後見制度です。
ここでは、後見・保佐・補助の違い、申立ての理由や手続き、申立権者について、実務で役立つポイントをやさしくまとめます。

後見・保佐・補助の違い(比較)

後見・保佐・補助は、本人の判断能力の程度に応じて選ばれる支援の形です。

類型判断能力の程度主な権限本人の関与手続き上の特徴
後見欠く常況財産管理全般・契約の取消し等日用品の購入その他日常生活に関する行為のみ成年後見人が包括的に代理
保佐著しく不十分重要な財産処分や契約に同意権・取消権一部の重要行為で保佐人の同意が必要同意権や取消権を付与し、本人の残存能力を尊重
補助判断能力が不十分特定の行為について補助人の同意本人の判断を最大限尊重必要な範囲で支援を行う

どんなときに申立てるか(申立理由)

申立ての背景で多い例を挙げます。複数の理由を同時に申立てることも可能です。

  • 預貯金の管理:口座の凍結や解約、生活費の支払い管理が必要なとき。
  • 施設入所や介護契約:入所契約や介護サービス利用の判断支援。
  • 不動産の処分:売却や賃貸契約など大きな財産処分が必要なとき。

申立手続きの流れ(必要書類と期間の目安)

  1. 準備:本人の意向確認、医師の診断書・戸籍謄本・住民票の取得、申立書や財産目録・収支予定表などの作成。
  2. 家庭裁判所へ申立て:本人の住所地(住民票の住所地とは限りません)の家庭裁判所に提出します。
  3. 審理・調査:受理面接や医師の鑑定が行われることがあります。
  4. 審判(選任):後見人等の選任と権限の決定。
  5. 選任後の手続き:初回報告や財産目録の提出など。

期間の目安:家庭裁判所によりますが、申立から1ヶ月程度で選任されます。

必要書類チェックリスト

  • 申立書
  • 申立事情説明書
  • 親族関係図
  • 親族の意見書
  • 後見人等候補者事情説明書
  • 財産目録
  • 相続財産目録
  • 収支予定表
  • 収入印紙 800円分
  • 収入印紙(登記用) 2600円分
  • 郵便切手 4500円分
  • 申立人の戸籍謄本
  • 本人の戸籍謄本
  • 本人の住民票
  • 本人の登記されていないことの証明書
  • 成年後見人等候補者の住民票
  • 医師の診断書(成年後見制度用)
  • 本人情報シート
  • 財産関係等の資料コピー
    • 不動産 登記事項証明書
    • 預貯金 通帳、証券など
    • 保険  保険証券
    • 負債  住宅ローンの償還表など
    • 収入  年金額改定通知書、給与明細書など
    • 支出  医療費・施設費領収書、介護保険料通知書など
    • 健康状態資料  療育手帳、障害者手帳、要介護度が分かるものなど

誰が申立てできるか(申立権者)

申立てができる主な人は次の通りです。

  • 本人
  • 配偶者・四親等内の親族(親、子、兄弟姉妹、祖父母など)
  • 市区町村長(福祉的観点から)
  • 任意後見受任者(任意後見契約に基づく場合)

よくある質問(FAQ)

申立てにかかる費用は?

申立手数料(収入印紙や予納郵券など)や申立報酬のほか、鑑定費用が発生する場合があります。

親族が後見人に選ばれないことはありますか?

家庭裁判所は本人の利益を最優先に判断します。親族が適切でないと判断される場合、専門職(司法書士、弁護士、社会福祉士など)が選任されることがあります。

後見人に就任した場合、家庭裁判所へ報告義務はありますか?

後見人等には定期的な業務報告や財産目録の提出義務があります。

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